「闇に降り立った天才」赤木しげるの名言 第4局
市川編①『狂気の沙汰ほど面白い…!』

マンガ




代打ち・矢木を圧倒し、再び倍プッシュを仕掛けるアカギ。

しかし、ヤクザの軍資金が尽きたこともあり、悪徳刑事・安岡がアカギをとりなし、後日仕切り直して再戦を行うことになった。


アカギ-闇に降り立った天才 2

脅迫

決戦前日、アカギに対戦相手のヤクザから呼び出しがかかる。
オドオドとビビリまくり、断りをいれるよう勧める南郷をよそに、赤木しげるは平然と待ち合わせ場所の喫茶店へと向かう。

店内に入ると、所狭しとヤクザが周りを取り囲んでいた。
アカギからすると、完全にアウェー状態である。
並の中学生ならば、いや、大人でも震え上がってしまうだろう。
しかし、アカギは全く臆することなく、薄ら笑いを浮かべながら言い放つ。

「ククク…なんだこの店は…酷い客層だな…」

相変わらずというべきか、赤木しげるの度胸には畏れ入る。

そんなアカギに対し、数を恃みに脅しをかけるヤクザ達。
アカギを呼び出した狙いは、こちら側に寝返らせることだった。
ところが、暴力のプロたるヤクザにも、赤木しげるは全く動じることなく跳ねのける。

百戦錬磨の敵ヤクザは、今度は一転して懐柔策に打って出る。
今降りるなら、幾らか条件を聞いてやると。

その申し出に、アカギはコーヒーをすすりながら提案する。
「ま…半分だな」

今回の勝負は800万からスタートするので、その半分400万ということか…。
13歳の少年の分際で対等の条件を要求する態度に、いきり立つヤクザ達。
だが、赤木しげるの次の言葉に、その場の一同は顔色を失った。

「なにズレたこと言ってんだ。オレは明日、おたくらの息の根を止めるつもりだからよ。その半分…つまり、組が崩壊する金額の半分…!ま、5000万ってとこか…」

ざわ…ざわ…

赤木しげるの迫力に気圧されながらも、そんなフザけた話など受け入れられるはずもない。
当然、交渉決裂となった。

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狂気の沙汰ほど面白い

毒気を抜かれたヤクザ達を尻目に、帰路につくアカギ。
すると、とある席の前で立ち止まる。
その席に座る男こそ、明日の対戦相手・市川だった。

特に紹介もしていない初見の代打ちを、一目で見抜いた赤木しげるの眼力に裏社会の住人達は驚きを隠せない。

一方、大した事ではないと言わんばかりのアカギ。

「クク…気配がまるで違う…そこだけ温度が低い」

そう言い終えると、アカギは銃を手に取り、いきなり市川にロシアンルーレットを仕掛ける。
一発だけ弾丸を装填し、リボルバーの弾倉を回転させ、市川に向けると引き金を引いた!

カシャーン!と空打ちし、弾は出ない。

アカギからすれば、弾丸が出ないように計算して弾倉を回転させていたので想定内である。
市川も、アカギの言動を読みきり微動だにしない。
その胆力と洞察力を目の当たりにし、さすがの“異端”赤木しげるも驚きを禁じえなかった。

「明日の夜が楽しみになった」と笑みを浮かべながら、今度こそ本当に帰路につこうとするアカギ。

その刹那、市川が呟いた。

「それはどうかな。まだ、明日まで命が繋がっているかどうか分からない」

アカギが自分に引き金を引いたのだから、自分自身にも引き金を引くのが筋だろうと言うのだ。
まさに正論である。

それにしても、一連のアカギの狼藉に全く動じることなく、淡々と切り返す市川の姿は却って凄味を感じさせる。
この市川の姿に、大抵の者は呑まれてしまうだろう。

しかし、そこは赤木しげるである。

「なるほど…好きにするがいい。だが、引き金はあんたが引くんだ。それでこそ、五分と五分…!」

アカギの挑発に、ヤクザ達は市川を必死に止めにかかる。
それはそうだろう。
アカギが勝手に自分に引き金を引くならまだしも、もし、市川が打って弾が出たら…。

ところが、市川は不気味にほくそ笑むと、テーブルに置かれた銃を手で探す。
その様子に、アカギは気付く。
市川が盲目であることを…。

「フフ…この世の中、バカな真似ほど…狂気の沙汰ほど面白い…!」

そう言うと、市川はアカギを掴まえ、拳銃を口の中に突っ込み撃鉄を起こす。

失禁してもおかしくない状況で、赤木しげるは狂気の表情を浮かべ、こう言った。

面白い…狂気の沙汰ほど面白い…!

カシャーン!

弾は発射されず、アカギは生還する。
赤木しげるは、ここで犬死にするようなタマではないからだ。
もちろん、市川も驚異的な聴覚で弾倉の回転数を把握しており、計算ずくである。

麻雀の闘牌よりも手に汗握る、赤木しげると市川の命を懸けた応酬。
さすがのアカギも、“盲目の雀士”市川に自分と同じ匂いを嗅ぎ取り一目置く。

それにしても、運否天賦に任せず、互いにあらかじめ計算していたとはいえ、実際に銃口を突き付けられる恐怖心は尋常でないはずだ。
ましてや、アカギは口の中に拳銃を突っ込まれているのである。

面白い…狂気の沙汰ほど面白い…!」と市川のお株を奪って切り返す様は、赤木しげるこそ“狂気の世界の住人”たる証左に違いない。

この“狂気の沙汰ほど面白い”というフレーズほど、赤木しげるの本質を表した言葉はないだろう。

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