学園ラブコメディの決定版!「僕の心のヤバイやつ」レビュー

マンガ




本作はウェブコミック配信サイト「マンガクロス」にて、桜井のりおが連載する学園ラブコメディです。

しかし、ただのラブコメではありません。
「第5回みんなが選ぶTSYTAYAコミック大賞第1位」や「次にくるマンガ大賞2020  Webマンガ部門第1位」に輝くなど、今話題沸騰中の人気コンテンツなのであります。
2022年1月現在でコミックは6巻出ており、すでに発行部数が200万部を突破しています。

このマンガの謳い文句は、“陰キャの主人公”市川京太郎と“陽キャで学園一の美少女”山田杏奈の極甘青春ラブコメディ!です。
「最近よく目にする、ありがちな設定だな~」と思った、そこのあなた!
実は、私も最初そう思いました。

ですが、そんなキャッチコピーでは計れない、未曾有の魅力満載の作品だと気付くのに、瞬きする間も要しませんでした。
その証拠に、某マンガサイトで無料作品を読むことを生業とする私が、辛抱たまらず課金して読み耽ってしまいました!
おかげで、夕飯のおかずがショボショボになったのは、ここだけの秘密です。

私は古い人間ということもあり、個人的にラブコメ史上No.1だと思うのは「めぞん一刻」です。
しかし、「僕の心のヤバイやつ」は、その不朽の名作にあと少しで並びかけ、捉えかからんとするほどの勢いです。

それでは、ネタバレはほどほどに、この作品を紹介していきましょう。

ストーリー

中学2年生の市川京太郎は、まさしく中二病の発症真っ只中です。
「殺人大百科」をはじめとする数々の猟奇本を愛読し、今日も同級生を葬り去ることを夢想するチョット危ない少年なのでした。

そんな市川少年が、今最も亡き者にしたいのが超絶美少女にしてクラスメイトの山田杏奈です。
雑誌のモデルもこなす山田杏奈を夜な夜なアブナイ妄想の餌食にする市川は、自称血に飢えた獣のようだとか…。
友達が居ない市川は昼休みになると図書室に赴き、ひとり読書に勤しむことが日課でした。

ところが、スクールカーストの頂点に立つ山田杏奈が、人がいないことをいいことに昼休みの図書室に来て、お菓子を食べるようになりました。
もちろん市川はいるのですが、全く気にせずパーティサイズのポテチを鼻歌交じりに食べるなど、意外な姿を見せ始めます。
その容姿から「底辺を見下しているに違いない」と思い込んでいた市川も、徐々に天然で気取ったところの無い山田へのイメージが変わっていきました。

そうこうするうち、夜空に輝くキラ星と地上を這うオケラほど差がある二人が徐々に惹かれ合い、相思相愛の関係になっていくのですから世の中分かりません。


僕の心のヤバイやつ 6 

主人公・市川京太郎

ここまでの市川評を見た方は、さぞやヤバイやつだと思うでしょう。
実は、小学生時代の市川は絵画や読書コンクール等で表彰されると、誇らしげに堂々と頭の上に賞状を掲げるなど、自信満々で周囲を呑んでかかっていました。
ところが、中学受験の失敗や様々なコンプレックスに苛まれ、徐々に周囲の目が気になっていき、自分の殻に閉じこもるようになってしまいます。

ですが、市川を見ていると、きっと誰もが山田との恋を応援したくなるのではないでしょうか。
なぜならば、見た目は陰キャそのものの市川ですが、心根の優しいナイスガイだからです。

山田が涙を流しているところを、クラスメイトたちに見られそうになるのを防ぐため、発表用の模造紙を切り裂き自らに注目を集めます。
普段は人目を避け、ひっそりと生息する市川だけに、どれほど勇気がいったことでしょう。
また、いつもの如く昼休みに図書室へ向かうと、友達と仲違いした山田が泣いていました。
すると、市川は図書室には入らず、ひとり廊下で本を読むことにします。

市川の優しさは、山田だけに向けられる訳ではありません。
文化祭の準備のとき、ささいな行き違いで不穏な空気になりかけました。
市川は濡れ衣を着せられそうになり、下手をすると山田に嫌われかねないピンチに陥るも、女子同士がギスギスするのを避けるため、あえて自分が罪を被ることを決断します。
結局、誤解が解けて事なきを得ましたが、市川の男気と優しさを改めて感じさせるシーンでした。

そして、物語が進むにつれ、傷つくことを恐れず勇気を振り絞り、陰キャ特有の屈折した弱さを克服していく姿は感動すら覚えます。
この作品のもう一つのテーマは、市川京太郎の成長の物語なのかもしれませんね。

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ヒロイン・山田杏奈

山田杏奈は中学2年生ながら身長171.9㎝もあり、体格が小学生並の市川と並ぶと大人と子どもの身長差です。
もちろん、モデルをしていることからも分かるように、スラリとしたスタイル抜群の美少女です。

そんな山田ですが、とにかく食いしん坊なんですね。
しかも、容姿からは想像もつかぬ幼さも手伝って、「ねるねるねるね」や「プルーチェ」などを図書室に持ち込みますが、水や牛乳を必要とするため悪戦苦闘しています。
市川にさり気なく注意されますが、「最近、料理にはまっているんだ!」とトンチンカンな返事を自信満々にぶち込んで来るのでした。
「オイオイ…料理のつもりかよ(涙)」という市川の心の声に同感です。

そんな天然でヌケている山田ですが、実は人をよく観察しています。
だからこそ、市川のような陰キャ男子の控えめな優しさにも気付くことができ、内面の素晴らしさを好きになるのでしょう。

そして、学校中の男子が憧れる存在でありながら、自分の言動で市川に嫌われてしまうのでは…と揺れる乙女心のけなげさも、どこか市川と似ていて微笑ましく映ります。

一見すると全く似合わない、でこぼこカップルの市川京太郎と山田杏奈ですが、ラブコメ史上に残るベストカップルといえるでしょう。

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まとめ

本作品を読むと、思わずニヤニヤしてしまう人もいるでしょう。
あるいは、遥か昔を思い出し、あの頃の淡い恋心を思い出す方もいるかもしれませんね。

ときには甘酸っぱく、ときには少しじれったいラブストーリーですが、市川の姉や山田の友人など、ふたりを取り巻く登場人物が本作をより魅力的なものに仕上げています。

そして、私が心のバイブル「めぞん一刻」級に高評価を与えるのは、普通のラブコメディとは比較にならないほど、随所にクスリとさせるユーモラスな描写を散りばめているからです。
特に、陰キャを存分に生かした市川京太郎の心の声が、実に秀逸だと思います。

学園ラブコメディの決定版!「僕の心のヤバイやつ」。
この作品は必見ですよ!

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